恋セヨ乙女

梨乃

今私の目の前で私のことが好きだという男。

この男とつきあったらあたしにどんなメリットがあるのだろう。

こいつはあたしのどこがそんなにすきなんだろう。

冴えない顔。

眼鏡だし。

気まで弱そう。

こいつとつきあうことによるメリット…

無し。

「ねえあんたとつきあったらなんか変わるの?」

『どうだろうね。でも俺はいろんなことが変わると思うよ。辛い事は半分になる。嬉しい事は二倍になる。』

なんかベタなこと語ってるし。

ばかじゃない?

「あんたとつきあうことに何のメリットも感じない。第一さぁ…」

ガタッ//

『あ~あ。もう最悪。あっ続きどうぞ!』

「加藤ごめんっ!」

『えっ!見てたの?まじかよー。散れ散れ(笑)』

「あんたら悪趣味(笑)第一なに?こんな奴の告白みてなにが楽しいの?」

「こんなやつっていいかたないんじゃないの?」

「はぁ?じゃあこいつがOKされると思ったんだ?ありえん。何のメリットもない。」

『メリットメリットってあんたそんなんで生きてるから嫌われてるんじゃない?』

「はっ?だいだいねえ…」

『もういいからっ!ダメもとだったし。ありがとな元木。梨乃ちゃん責めないであげて。』

『加藤もこんな女やめな。ほかにいい奴ならいくらでもいるよ!』

「こっちから願い下げだわ!」

「ちょっと皆!」

なんであたしをかばうの?

こっちはあんなにけなしたのに…。

ひどい事言っちゃっ…そんなことない!

あ~めんどくさい。

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