この手、あの手。
放課後――。
「聖治!」
「ん?」
「あのさ、私、男バスのマネージャーやる」
「え!?」
聖治はかなり驚いた。
「実乃梨が!? 出来るのか!?」
「酷いなあ、出来るよ。私、変わりたいの」
聖治が目を逸らしても、私は聖治を真剣な目で見つめた。
「分かった、じゃあ一緒に行こう。部長に紹介してやるからな!」
「うん!」
良かった、普通だ。
聖治にタオルを渡した日からまともに会話してなかったから……。
「彩夏とも仲良くしてやってよ。1年のマネージャーは彩夏だけだから」
彩夏……?
ああ、泉谷さんのことか。
「うん……」
彩夏って呼んでるの気に食わない。
止めてよ。
胸がムカムカする。
私、ワガママだ……。