この手、あの手。
「キャプテン、こちらが俺の幼馴染みでマネージャー希望の、都村実乃梨です」
「よ、宜しくお願いします」
私は深く頭を下げた。
「キャプテンの高石(たかいし)です、宜しく! でも、マネージャー希望なら声を張れるようになってもらわないと、困るよ」
「す、すみません」
私はもう一度頭を下げた。
声が小さいのは分かってる。
でも色々な意味で変わりたいからマネージャーを選んだ。
「変わりたいんです。だから、マネージャーをやって成長したいです」
声が小さくても思いは伝えられる。
顔の表情で理解してもらえる。
「悠木、幼馴染みなんだからちゃんと面倒見てやれよ。変わりたいなんて、良い子だな」
「はい!」
「じゃ、部室に連れてってやって。後は同じマネージャーに任せて練習に来い」
「はい!」
部長は部員が集まっている場所へ走っていった。
「実乃梨、こっち」
「うん!」
私は聖治の後ろについて行った。