この手、あの手。

男子バスケットボール部と書かれた部室の戸を、聖治はコンコンと鳴らした。

中から数人の返事が聞こえた。


「失礼します。新しくマネージャーになった子を紹介します」

マネージャー全員、私達の前に整列した。


「こちらは1年2組の都村実乃梨さん」

「あー! 性悪男の彼女さんだー!」

「知ってる知ってる!」

やっぱり知ってるよね……。

しかも鶴賀君のこと性悪男って言ってるし。

彼女の前でよくあだ名言えるなあ。


「で、3年と2年がそれぞれ1人。彩夏も入れて、マネージャーは3人。分かった?」

「うん」

「それじゃあ、実乃梨のこと宜しくお願いします!」

聖治は頭を下げて体育館へ走っていった。


「実乃梨のこと宜しくお願いしますだって~、愛されてるね~♪」

「いえ……」

3年のマネージャーさんがからかってきた。


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