この手、あの手。
「きゃ!?」
聖治は押し倒してきた。
そして、ギューッと抱かれた。
「せ……じ……?」
「俺、期待しても良いのかな」
「ひゃ!?」
首筋にキスされた。
聖治、なに考えてんの……?
怖い……!
そんな私の思いは通じず、聖治は唇にキスをしてきた。
息が苦しくなるまでされた。
抵抗しようとしないで、なにしてるの。
鶴賀君としかしたくないって言ってたじゃん。
なんで聖治としちゃったの……?
色々な思いが込み上げてきて、思わず涙を流した。
「ごめん!」
聖治はその涙を、キスしたせいだと思っている。
「本当にごめん! 俺最低だな……」
聖治は最低なんかじゃない。
そう言いたかったのに、聖治を責めてしまう自分が心にいた。
聖治が私を家に上げなかったら、キスしなかったら、聖治とは今まで通りだったかもしれない。