この手、あの手。
「私、帰るね」
私は聖治を押し退け、急いで自分の家へ戻った。
キスしちゃった……、どうしよう……。
鶴賀君に言った方が良いかな?
言ったら怒るよね?
振られるかな……?
聖治とはどうなる?
気まずいよね……。
顔が見れないと思う。
もう、元の私達の関係には戻れないかもしれない。
聖治に“好き”と言ってしまったことを酷く後悔した。
聖治のことは考えず、鶴賀君のことだけで頭いっぱいにすれば良かった。
それとも、鶴賀君と付き合わなければ良かった?
もう分からない。
疲れた。