この手、あの手。
教室に入ると、黒板にある文字が書かれていた。
『悠木聖治県体レギュラー入りおめでとう』。
そう、聖治はもうすぐある県体で、レギュラーに選ばれた。
「おっはよー!」
朝練を終えた聖治にみんな拍手した。
「みんなありがとな! 試合に出れるよう頑張るよ!」
聖治はピースした。
「お前かっこいいよ!」
「このクラスでレギュラー入りは悠木だけだからな、誇りだよ!」
数名の男子が聖治に肩を組んだ。
「聖治、凄いな」
「えっ!? あ、うん!」
急に鶴賀君に話しかけられるもんだから、びっくりした。
「俺、部活なんもしてねえからカッコ悪いな」
「別にかっこ悪くないよ。見た目は仕方ないけど、他の所までかっこよくなられたら困る」
「ふーん、惚れ直しちゃう感じ?」
鶴賀君はニヤニヤしていた。
分かってるくせに!