この手、あの手。
「そういやさー、条件覚えてる?」
「……う、うん……」
そういやあったな。
“鶴賀君になんでもする”だよね……。
「俺にキスねだれ」
「キ…!? や、やだ!」
こんな所でねだれるか!
「じゃあ2人きりの場所でする?」
「いっ……!」
バカバカバカ!
こんな所で変態発言しないでよ!
まあみんなは聖治に夢中だから良いけど……。
「都村さん、鶴賀! お前らも話に参加しろよ。友達だろ」
1人の生徒により、みんなの視線が私達に向けられた。
多くの人が迷惑そうな顔してる。
そうだよね、私のことはうざいみたいだし、鶴賀君のことは性悪男にしか思ってないもんね。
「う、うん」
「おう」
さっきまで明るかった鶴賀君の顔は元の冷たい表情に戻っていた。