この手、あの手。
「悠木、つーちゃんになにしたんだ?」
「……押し倒してキスした……」
「2人の様子見てだいたいは分かってたけど、言われるとムカつく」
鶴賀君は聖治の胸ぐらを掴んだ。
「県体あるから殴らねぇだけだから」
「ごめん……」
鶴賀君は屋上の戸を思いきり蹴った。
「まじムカつく。今すぐお前を殴りたかったわ。二度とつーちゃんに近づくな」
鶴賀君はイライラしながら立ち去った。
「悠木君大丈夫?」
「小松さんこそ、嫌な思いさせてごめんな……。俺もう、一緒にご飯食べるの止めるから」
「悠木君……」
屋上には嫌な空気しか流れていなかった。