この手、あの手。

1、2、3、4、5、6、7、8……。

各自声を出して、自分のペースで筋トレをする。


「実乃梨」

「な、なに?」

私の心臓はバクバク状態だった。


「キス、嫌だったか?」

な!?

今そんなこと聞かないでよ!


「……ううん、嫌じゃなかった。でも、怖かった」

「そっか」

「でもね、嬉しい自分もいた」

「……そっか」

今更だけど、聖治は今までずっと我慢してたんだよね。

私のこと好きだけど、なんもせず、ただずっと側で支えてくれてた。


「聖治、私、聖治のこと好き。幼馴染みとしてもそうだけど、恋愛感情としての好きもある」

なんか告白してるみたい。

緊張する。


「ごめんな、実乃梨とは付き合えない」


予想外の言葉にびっくりした。

てか告白したつもりじゃないのに……、付き合えないって言われると傷つく……。


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