この手、あの手。


「聞こえなかったんだけど」

来たよ来た、ドS発言。

今完璧に聞こえてたよね?

名前で呼んだ時反応したよね?


「言わない」

「言えよ」

鶴賀君は私の手を握ってきた。


ゴツゴツとした男らしい手。

鶴賀君の手が好き。


「武志……」

「もう一回」

「武志!」

「もう一回」

何度言わせれば気が済むのよ!


「たけんっ!」

鶴賀君にキスされた。


やだ、みんな見てる……!


けれど鶴賀君は止めず、舌を入れてきた。


「ちゃんと言えたご褒美」

「バカ!」

「嬉しいくせに」

「なっ……!」


嬉しいよ!

嬉しいけど場所考えてよ!


なんて口に出すことは出来ず、自分の席に無言で座った。


その後またいつものように鶴賀君は私で遊ぶ。

背中に文字を書いたり首を触ってきたり。

時々ブラのホックを外す。


ああもう、私、どんどん鶴賀君に溺れてく。

あ、もう鶴賀君じゃなくて武志なんだよね……。


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