この手、あの手。


「つーちゃんと一緒にいれないなんて、俺無理」

「……そんなこと言われたって仕方ないじゃん」

「俺つーちゃんと離れたくないもん」

おかずを掴みながら、私の方をチラッと見る武志はかっこよかった。


「そんなの知らないよ」

「じゃあつーちゃんは離れても平気なわけ?」

「それは……」


私だって離れたら寂しいよ。

鶴…じゃなくて、武志のこと好きだもん。

離れたくない。


「つーちゃんは俺のこと好き?」

なに改まって聞いてんの!?

小松さんや聖治の前で言いたくないし!

でも言わなきゃ、武志はどんどんドS発言してくるんだろな。


「好きだよ……」

これで済むと思った私は甘かった。


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