この手、あの手。
「つーちゃん」
「あ、なに?」
武志は怖い顔して私をじっと見ていた。
「つーちゃん俺が好きなんだよね? なら俺だけ見つめてれば良いんだよ。俺にだけドキドキすれば良いんだよ」
武志は本当に嫉妬深いね。
「武志……。私、武志だけが好きだよ。安心して」
優しく微笑んだ。
そして武志に抱かれる。
武志は温かい。
好きだよ。
ごめんね、聖治のこと気にしてごめんね。
早く武志のことだけで頭をいっぱいにするから。
「さ、もうみんな気にするの止めよ! ご飯食べよ、ね!」
小松さんの一言で私達はまたご飯を食べ出した。
楽しい楽しい時を過ごしてた。
だから未来のことなんて考えてなかった。
県体であんなことが待ってるなんて……。