この手、あの手。


「止めなよ!」

泉谷さんが止めに入ってきた。


「ああ!? アンタには関係ねえだろ!」

「関係ないことない! 私、都村さんと友達だもん!」

泉谷さん……!

ただこの状況だからそう言っているのかもしれない。

でも、それでも嬉しい。


「ちょっとこっち来い!」

「えっ……!?」

私は5人組のリーダー的存在の人に手を引っ張られた。


「ちょっと! 今から試合あるんだから!」

泉谷さんは私をひき止めようとした。


泉谷さんまで巻き込んじゃダメだ……!


「大丈夫だから! 泉谷さんはここにいて! 他の部員が来た時にいなかったら困るから!」

「でも……!」

「私のこと誰にも言わないで。お願い」

私は必死で作り笑いした。


ごめんねみんな……。


< 147 / 316 >

この作品をシェア

pagetop