この手、あの手。


「ほら君達、彼女に謝りなさい」

管理人は5人組を私の横に並ばした。


「ごめんなさい」

「ごめんなさい」

1人ずつ謝ってきた。

そんなことしたって許すわけないのに。


「どうする? もう帰らす?」

管理人が私をチラッと見てきた。


うわっ、迷惑そうな顔してる。

そうだよね、いじめなんて私達の問題なんだから。


「もう出てって下さい」

私は5人組の方を見ずに言った。


「君達、ここから出なさい」

1人の管理人と一緒に5人組は出ていった。

その瞬間息が軽くなった気がした。


「つーちゃん、あいつら誰?」

武志の目は怖かった。

私のことで怒ってくれてるんだ……。


「あの人達はー……」

言おうとしたら、また過呼吸が起き始めた。

昔のことを思い出したからだ。


< 152 / 316 >

この作品をシェア

pagetop