この手、あの手。
「ほら君達、彼女に謝りなさい」
管理人は5人組を私の横に並ばした。
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
1人ずつ謝ってきた。
そんなことしたって許すわけないのに。
「どうする? もう帰らす?」
管理人が私をチラッと見てきた。
うわっ、迷惑そうな顔してる。
そうだよね、いじめなんて私達の問題なんだから。
「もう出てって下さい」
私は5人組の方を見ずに言った。
「君達、ここから出なさい」
1人の管理人と一緒に5人組は出ていった。
その瞬間息が軽くなった気がした。
「つーちゃん、あいつら誰?」
武志の目は怖かった。
私のことで怒ってくれてるんだ……。
「あの人達はー……」
言おうとしたら、また過呼吸が起き始めた。
昔のことを思い出したからだ。