この手、あの手。
県体、中間テストが終わり、先週には期末テストが終わったばかり。
季節は夏で毎日暑い日が続いている。
「今日テスト帰ってくるねー。赤点だったらどうしよう」
「麗南、嘘はつくな。お前勉強出来るだろ」
「えへへー、まあね」
今は学校が始まる前の朝。
調子の良い小松さんは、朝から出られることになった。
「羨ましいなあ、頭良くて」
「言ってくれたら勉強教えたのに! 友達なんだから遠慮しなくて良いよ!」
小松さんは私の手を握って話してきた。
有難うと言いたい所だけど、そういうのはテストが始まる前じゃないと意味がない。
「俺は必死で勉強したから自信ある!」
「え、部活あったのに!?」
「ああ。だって赤点取ったら、次の大会でのレギュラーはなしだからな」
「そういえばそんなこと、キャプテンが言ってたね」
マネージャーの私はテスト期間中の練習には参加しなくて良かったのに、聖治より点が良い自信がない。