この手、あの手。
「鶴賀と実乃梨は良いよ。けど、俺と小松さんって邪魔になるじゃん」
「はっ……?」
そんなこと気にしてたの?
「私は4人で行きたいの。聖治と行きたいの」
「実乃梨……、お前ホント優しすぎだ!」
パシッ。
私の頭を撫でようとした聖治の手を武志は払った。
「俺のつーちゃんに触んな」
「わ、分かってるよ!」
“俺の”に、不覚にもときめいてしまった。
「ねぇ、夏祭り行くの? 行かないの?」
「……麗南、あんま出かけたことないもんな。一緒に行くよ」
「俺も行く。鶴賀が実乃梨に変なことしないよう、見張ってないといけないからな!」
「じゃあ決まりね!」
小松さんはとてもウキウキしていた。
私はそんな小松さんが微笑ましくなった。