この手、あの手。
「んじゃ、着替えたら家の前に集合な!」
「うん! じゃあまた後で」
聖治に手を振り、家の中へ入った。
荷物を自分の部屋へ置き風呂場へ急いだ。
今日はいつもより丁寧に洗った。
香りの良いシャンプーで洗った。
今日は特別。
そして1時間半後、私は家を出た。
聖治はもう外で待っていた。
「お待たせ」
カランと、下駄の音を鳴らしながら聖治に近づいた。
「実乃梨可愛い!」
「ありがと。そういう聖治もかっこいいよ」
私達4人は浴衣で行こうと決めていた。
聖治は黒色の甚平を、私は青色に朝顔の花柄の浴衣を着ている。
活発な聖治に甚平はよく似合っている。
「急ごっか」
「うん!」
私達は転けない程度に走った。