この手、あの手。
結局私達はそれぞれ食べたいおかずを買って、階段に座って食べた。
時々武志に焼きそばを奪われたけど、私も武志が買ったたこ焼きを奪ってやった。
「綿菓子食べたいなあ」
「あ、私も」
やっぱり女子は綿菓子食べたいよね。
「じゃあ買いに行くか!」
聖治が立ち上がりながら言った。
私達3人も頷きながら立った。
周りにはカップルが沢山いる。
流石夏祭りだ。
私と武志もちゃんとカップルに見えてるだろうか。
「あ! 武ちゃん武ちゃん、金魚さん!」
“金魚さん”て、ちょっ、小松さん可愛い!
小松さんが眩しく見えるよー!
「なに、金魚欲しいの?」
「欲しい欲しい! 武ちゃん一緒に取って!」
「分かった」
そう言って武志はお財布をつつき始めた。