この手、あの手。
「あの子が彼女なの?」
「うっそ~、不釣り合い~。絶対あっちの子の方がお似合いだよ」
聞こえてるっつーの。
「俺の彼女に相応しいのはつーちゃんだけだよ。周りにどう思われようが、俺にはつーちゃんが一番だ」
「武志……」
私も武志をギュッと握りしめた。
武志は私のだもん。
私は彼女だもん。
絶対絶対、武志の側を離れたりなんかしない。
「そこのカップルさんよぉ、悪いがイチャつくなら他でしてくんねーか? 金魚すくいしたい人が集中して出来ねえからよぉ」
「あ、すいません!」
金魚すくいのおじさんに言われ、私は武志から離れた。
「あっち行こうぜ!」
私達は聖治の声と共に、金魚すくいから離れた。