この手、あの手。
「都村さん、金魚可愛いよね」
「え、あうん! それに、なんだか透き通ってて綺麗!」
「嬉しー、仲間だあ! やっぱり都村さんとは話合う、大好き!」
小松さんは自身の金魚が入っている袋を見せながら、ニコッと微笑んできた。
「私も嬉しい。友達と一緒に遊ぶの、夢だったんだ♪」
こんな可愛い友達と遊べるなんて、本当幸せだよね。
「ねぇねぇ都村さん、さっき武ちゃん取っちゃったから、武ちゃんあげる」
「? どういう意味?」
「だーかーら、この後は武ちゃんと2人で過ごしなよ」
「え、でも……」
なんだかそれは、とても悪い気がする。
「良いの! 私、別に悠木君と2人でも平気だもの! 悠木君優しいし!」
うん、確かに聖治は優しい。
でも、武志と聖治はそれで良いのかな?
武志は小松さんが心配だろうし、聖治は私と離れて嫌だよね。