この手、あの手。
「俺は嫌だ。麗南を放ってはおけない」
嫌って……、そんなはっきり言われると傷つく。
「俺がしっかり見てるから、鶴賀は実乃梨と行けよ。せっかくの夏祭りにカップル2人で過ごさないなんて、勿体無いだろ」
「でもさ……」
武志は小松さんを凄く心配している。
やっぱり別行動はダメだ。
「良いよ良いよ、4人で過ごそう」
上手く笑えただろうか。
そりゃあ武志と2人で過ごしたかったよ。
でも、ダメなものはダメだから。
「いつまでも“幼馴染み”に縛られちゃ、ダメだろ」
突然、聖治が真剣な顔して話し出した。