この手、あの手。


「俺は嫌だ。麗南を放ってはおけない」

嫌って……、そんなはっきり言われると傷つく。


「俺がしっかり見てるから、鶴賀は実乃梨と行けよ。せっかくの夏祭りにカップル2人で過ごさないなんて、勿体無いだろ」

「でもさ……」

武志は小松さんを凄く心配している。

やっぱり別行動はダメだ。


「良いよ良いよ、4人で過ごそう」

上手く笑えただろうか。


そりゃあ武志と2人で過ごしたかったよ。

でも、ダメなものはダメだから。


「いつまでも“幼馴染み”に縛られちゃ、ダメだろ」

突然、聖治が真剣な顔して話し出した。


< 179 / 316 >

この作品をシェア

pagetop