この手、あの手。
「いい加減さ、俺ら幼馴染みから離れなきゃダメだと思う。俺ら、幼馴染みだからって理由で色々関係壊してきたじゃん」
そう言われると、確かにそうだ。
私達、幼馴染みという存在に依存してる。
「俺、本当にしっかり小松さん見てるから大丈夫だよ。それとも、俺はそんなに頼りないか?」
聖治は武志の方をじっと見つめた。
「それは……。頼りない事ねえよ。悠木はしっかりしてる」
「なら、小松さん俺に預けて実乃梨と楽しんで来いよ」
「……そうだな、俺、麗南を甘やかしてたし甘えてたよな。ごめん」
少し沈黙の空気が流れた。
「つーちゃん、俺と2人きりのデートしてくれる?」
「……うん!」
武志に手を差し出され、私は静かにその手を取り、恋人繋ぎをした。
「じゃ、何かあったら言うから。カップルは楽しんで来い!」
聖治に後押しされ、私と武志は2人の元から去った。