この手、あの手。


2学期に入って1週間、小松さんは学校を休むことが多くなった。

武志によると持病が悪化したとか。

心配してメールをしても返って来ず、不安になった。

武志は小松さんを心配して遅刻したり、休み時間には小松さんにずっとメールをしていた。

武志と話す時間が減った。


「幼馴染みだもん、仕方ねえよ」

聖治がそう励ましてくれたお陰で、私はなんとか笑顔でいた。


「10月始めに体育祭あるけど、小松さん見に来るかなぁ」

「きっと来るよ、な! 来なくても、写真いっぱい撮って小松さんに見せてあげれば良いじゃん!」

「そうだね……、有難う、聖治」

私と聖治が話していても、武志は全然見向きもしない。


なんだか胸がムカムカする。

小松さんは苦しんでるんだから仕方ないじゃん。

私だって聖治が体調不良になったら、凄く心配するじゃん。

元気出そう。


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