この手、あの手。


体育祭当日――。


「都村さんおはよー!」

「小松さん!」

1週間ぶりに登校してきた小松さんは、顔色もだいぶ良くなっていた。


「会いたかった!」

小松さんは私に抱きついてきた。

うわっ、こういうの慣れてないからどうしたら良いか分からない。


「体育祭、頑張ってね! 私は保健室から見てるから!」

「あ、そっか。体弱いから出られないんだっけ」

「優勝してね!」

「うん! 小松さんが応援してくれたら最大のパワーになるよ!」

小松さんと出られないのは残念だけど、私達の心は繋がっているから大丈夫。


「ねぇ、体育祭終わったら4人で写真撮ろうよ」

「うん! じゃあ終わったら保健室行くようにするね」

「うん、待ってる」


チャイムが鳴り、私達は体操服に着替えてグラウンドへ行った。


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