この手、あの手。


翌日――。


今は昼休み。

私達はいつもの屋上の手前の階段にいる。


「それにしても、今日も小松さん来てくれて良かった。昨日体育祭だったから、来ないかと思ってた」

「来るよー。今日は元気なの」

「いつもよりウキウキしてるように見えるし」

「そう? そうかもね」

なにか、良いことでもあるのかな?

本当にウキウキしてる。


「5時間目移動だし、早く行こうぜ」

「どうせ聖治は机で寝たいんでしょ」

「バレた?」

「バレてる」

聖治のことは分かるもん。


「まぁ麗南のこともあるし、ゆっくり移動しよう」

武志は本当に心配症だ。

2学期になってから小松さんばかりであまり話せてないや……。


私達は鞄を持って立ち上がった。


「都村さん」


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