この手、あの手。


「小松さんはさ、その気持ちが強すぎたんだよ。しかも恋愛対象として好きだから、鶴賀君に近づく奴が許せなかったんだろな」

なるほど……。

でも、じゃあこれからどうすれば良いんだろう。

武志は本当の小松さんの姿を言っても信じないかもしれない。


「ねぇ、それで考えたんだけど、今から小松さんの所に行こう」

「えっ!?」

どうしよう、私、病室に入れてもらえるか分からない。


「つーちゃん、いい加減強くなりなよ。アンタは1人じゃないでしょ。私もいる」

「田畑さん……」


初めて、田畑さんが私に優しい笑顔を向けてくれた。



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