この手、あの手。


「武志は彼女の私よりも、幼馴染みの小松さんの言う事を信じた。真実を言ってる私は全然信じてもらえなかった! 悲しかった!」

私の両目からも涙が溢れてきた。


「好きな人に信じてもらえないのがどんなに辛いか、小松さんも分かるでしょ?」

「っ……!」


私達はお互い声を上げて泣き出した。



「そういう事だったんだな、麗南」

「っ! 武ちゃん!?」

武志の後に続いて、クラスメートが入ってきた。


「ど……して……」

小松さんはかなり驚いていた。


「あたしが連れてきたんだよ。あたし、小松さんが自分から落ちてるとこ目撃したんだ」

田畑さんが前に出てきて言った。



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