この手、あの手。


「つーちゃんや鶴賀君、それに悠木君にも謝りなよ」

「やだ! なんで私が!」

そんな小松さんの頬を、武志が叩いた。


「いい加減にしろ、麗南」

「武ちゃん……」

「そんな事する麗南は嫌いだ。大切な子に酷い事をする麗南なんて」

その言葉を聞いた小松さんは、わんわんと泣き出した。


「俺はもう、麗南とは幼馴染みとしてしか一緒にいられないんだ。ごめんな」

武志は小松さんの頭を撫でた。


「うっ……ごめ…なさい!」

小松さんは暫くの間泣き続けた。

私は田畑さんや聖治に慰められ、笑顔に戻った。



ようやく、女の戦いに幕を閉じた。



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