この手、あの手。
「鶴賀君相変わらず人気だねー。良いの?」
田畑さんは私の気持ちを知ってる。
だけど仕方ないから。
「良いよ、別に」
「そっか」
田畑さんはあまり追及して来ない。
「でさー、今週の土曜一緒に遊ばない? 今度こそ行こうよ、カラオケ」
そんな時期あったなー……。
「鶴賀君も連れてきて良いから」
「え……」
「そっちの方が信用性あるでしょ」
「あぁ……、なるほどね」
どうしようかな……。
今の田畑さんなら信用出来る。
でも武志は群がらないタイプだ。
嫌がるに決まってる。
と、その時武志が教室に入ってきた。
「お、鶴賀くーん、ちょっとこっち来て」
田畑さんはニコニコしながら手招きした。