この手、あの手。


でも、これで当たるのが漫画や小説だ。

私は見事にロシアンたこ焼きを食べてしまった。


「おえっ! 辛っ!!」

本当に、口から出したいほど辛い。


「つーちゃんジュースと一緒に飲んで」

武志の言葉になんとか頷く。


「つーちゃん大丈夫? 涙と汗出てるよ」

田畑さんは持っていたハンカチで、私の顔を拭いてくれた。

私はというと、ジュースを何杯も飲んだ。

それでも口の中のヒリヒリは全然治まらなかったけど……。





帰り道――。


「あー鼻水出る」

「つーちゃん頑張った頑張った」

武志は私の頭を撫でてきた。


「うん、ロシアンたこ焼きには驚いたけど、凄く楽しかった」

「良かったな」


武志とも親密度が少しアップして良かった。



それから暫く、私は食欲がなかった。



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