この手、あの手。
季節は冬になり、クリスマスの時期が迫ってきた。
「行ってきまーす」
外に出ると白い息が出る。
辺りはクリスマスの飾り付けがしてあり、毎朝それを見て歩くのが楽しい。
「つーちゃんおはよ」
「おはよ、武志」
この間から、私は武志と一緒に登下校するようになった。
付き合ってるとかじゃないけど、武志がしたいと言ってきたからOKした。
本当は、それがちょっぴり嬉しかった。
「つーちゃん、マフラー交換しない?」
「良いよ」
マフラーを外して武志に渡した。
「巻いてあげる」
武志は自分のマフラーを私に巻き付けた。
こういうの恋人みたい……。
私の胸はドキドキしていた。