この手、あの手。
翌日――。
「武志おはよ」
「はよ」
優しく微笑む武志。
早く武志に触れたい。
でも、もう少しの我慢だ。
「武志」
「んー?」
「その、クリスマスって空いてる?」
勇気を振り絞って聞いた。
「あー無理、その日用事ある」
「えっ……」
嘘……、最悪。
そっちのパターン考えてなかった。
どうしよどうしよ……、クリスマスは武志と過ごしたかったのに……。
「なーんて」
「へ?」
武志の方を見るとニヤニヤしていた。
「冗談、空いてる」
「えっ…あっ……もう! 騙さないでよ!」
私は武志の背中をパシッと叩いた。