この手、あの手。


クリスマスが近づくにつれ、胸が騒がしくなる。

クリスマスは武志の家に行く予定だ。

夕方には街へ行って、夕食を取ってイルミネーションを見る。

そして目的の告白をするつもりだ。


「都村さん」

「あ、はい!」

一度も話した事のないクラスメートが声をかけてきた。


「あの人が呼んでるよ」

彼女は入口の方を指した。


「あっ……、教えてくれて有難う」

なんだ、その為に呼んだのか。


私は入口で待っている男子の所へ行った。


きっと告白されるんだろなあ。


そんな事を考えながら、その男子の後ろを歩いた。


正直、仲良くない男子とはあまり2人きりになりたくなかった。

前のあの事件がトラウマだから。



< 295 / 316 >

この作品をシェア

pagetop