この手、あの手。
クリスマスが近づくにつれ、胸が騒がしくなる。
クリスマスは武志の家に行く予定だ。
夕方には街へ行って、夕食を取ってイルミネーションを見る。
そして目的の告白をするつもりだ。
「都村さん」
「あ、はい!」
一度も話した事のないクラスメートが声をかけてきた。
「あの人が呼んでるよ」
彼女は入口の方を指した。
「あっ……、教えてくれて有難う」
なんだ、その為に呼んだのか。
私は入口で待っている男子の所へ行った。
きっと告白されるんだろなあ。
そんな事を考えながら、その男子の後ろを歩いた。
正直、仲良くない男子とはあまり2人きりになりたくなかった。
前のあの事件がトラウマだから。