この手、あの手。


12月25日――。


ついにこの日がやって来た。

私の胸は朝からザワザワしていた。

お昼過ぎに武志が迎えに来る。


「何着よう……」

タンスから出した服が部屋中に散らばっている。


「いっそのことサンタの格好にしようかな」

軽い冗談で言ったが、武志が物凄い変な目で見そうな所が想像出来た。


「普通の格好で良いや……」

私はお気に入りの服から女の子らしい服装を選んだ。

ピンクと白のボーダーニットに白いチュールスカート、黒いタイツだ。

靴は茶色いブーツに決めた。

茶色いコートも念のため出した。


「よし!」

時間が来るまで、鏡の前で何度もコーディネートを確認したり、告白の練習をした。



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