この手、あの手。


「それじゃあ撮りますよー」

――カシャッ。


「有難うございます」

「いえいえ」

通行人は笑顔で去っていった。



私達に、新たな写真が増えた。

というか、2ショットは初めてかもしれない。

嬉しい。


「つーちゃんニヤニヤし過ぎ」

「ごめん…嬉しくてっ……」

私はいつの間にか涙を流していた。


「つーちゃん?」


言うんだ、私。


「武志と一緒にいれるのが嬉しくて幸せでっ……」

「………」

武志は黙り込んでしまった。


「あの時フってごめんなさい。武志に頼ってばっかが嫌で……強くなりたくて……」

涙が止まらない。



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