この手、あの手。
「武志に相応しい彼女になりたかったの。武志に嫌われたくなかったの」
「つーちゃん!」
武志がギューッと私を抱き締めてきた。
「武志が好き、大好き。付き合って下さい」
武志が私の涙を手で拭いた。
「卑怯だよつーちゃん。俺も今日つーちゃんに告白しようと思ったのに」
「えっ……」
すると、武志はポケットからある物を出した。
「な…にそれ……」
武志のバカ、卑怯はそっちだよ。
「俺もつーちゃんが大好きだ。付き合おう」
そう言って武志は、私の右手薬指に指輪をはめた。