この手、あの手。


「ふ……は……ハックション!!!」

私はかなり大きいくしゃみをしてしまった。


「そうだった! 都村さん服、早く着て! 風邪引いちゃう!」

「う、うん!」

私は急いで顔だけ男の服を着た。


やっぱり下着がないと変な感じ。

胸に服が当たるし下はスースーするし。

それにブラしてないから胸が透けてて……、ちょっとやらしい……。


そんなことを考えてると恥ずかしくなってきて、顔が熱くなってきた。


コンッ、コンッ。


「実乃梨ちゃんいる?」

「あ、はい」

「武志の母だけど、事情は聞いたわ。服着たなら、リビングにいらっしゃい。クッキーがあるの」

「そ、そんな、悪いですっ」


それに、こんな格好で行くのはちょっと気が引ける。


「大丈夫よ。リビングには私と麗南ちゃんしかいないから」

「は、はい……」

私の気持ち、バレてたんだ……。

流石だな……。


私は顔だけ男のお母さんに連れられ、リビングに行った。


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