この手、あの手。


学校に着くと、玄関にクラス分け表が貼り出されていた。

周りには喜んだり泣いたり、無表情でクラス分け表を見ている人で沢山だった。


んーと……、あ、2組だ。


「俺らまた一緒だなあ」

隣から聖治の声が聞こえた。

“また”か……。

私と聖治は、小・中ずっと同じクラスだった。

まさか高校でも同じクラスになるなんて……。

嬉しいような、嬉しくないような……。


「腐れ縁だね」

「俺は実乃梨と同じクラスで嬉しいけどな」

にかっと笑う聖治。

私は口パクで「バカ」と言い、微笑んだ。


「きゃ~! 2組だやった! 鶴賀君と同じクラス~!」

私達の直ぐ近くで、女子の甲高い声が響いた。

その子の近くにいた人はみんな引いていた。


煩いなあ。

あんな人と同じクラスだなんて憂鬱だ。

関わらないようにしなくちゃ。


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