この手、あの手。


「なに勝手に決めて」

「つーちゃん煩い」

そう言って、鶴賀君は私の唇にキスを―……、するわけはなく、唇の横にキスをした。


キャー!!!という女子の声が響いて耳が痛かった。


こんなことされたら、ますますいじめられるじゃん!


「つーちゃんは俺のだから、いじめたら許さない。いじめて良いのは俺だけだ」

いや、最後の一言は余計だよ……。


「お、俺だって実乃梨の友達だ!」

聖治が私に近づいてきた。

そして鶴賀君を横目で睨んだ。


聖治は友達って言うのかな?

大切な幼馴染みだけど友達って考えたことないや。


「実乃梨は俺の大切な幼馴染みであって、友達だ!」


そっか……、なんだ。

私と聖治は知らないうちに、友達になってたんだ。

聖治の言葉に凄く嬉しくなった。


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