この手、あの手。


「なんか、俺の知らない所で3人仲良くなってるよな」

その後、聖治は一度も喋らなかった。


「仲間外れみたいにされて寂しいんだよ」

小松さんはそう言ってくれたけど、聖治のことだもん。

心はきっと凄くショックを受けてると思う。

なにか良い方法ないかな……。


考えているうちに海に着いた。


「キレー!」

「春の海も最高だな!」

みんなキャアキャア言っていた。


「それじゃあ各クラスごとに整列して下さい」

先生の声にみんな喋りながら並ぶ。


「つーちゃんとろい」

整列しているみんなに通せん坊されて、なかなか2組の列に行かない私の手を、鶴賀君が引っ張った。


なんでこんなことすんの。

小松さんにしてあげなよ。

こんなことされたら、気持ち抑えられなくなる……。


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