この手、あの手。


「好き……」

「えっ」

「あ……っ!」


どうしよう、言っちゃった!

どうしようどうしようどうしよう!


「ち、違うの!」

「とりあえず整列しなきゃ」

必死で否定したけど、もうほとんどの人が整列していた為、私達も急いで2組の列に向かった。


「えー、クラス対抗バレーについて説明する。バレーと言ってもビーチバレーだ」

先生の話が暫く続いていた時だった。


背中がくすぐったくなった。


「感じてないで、文字理解して。平仮名だから」

後ろから鶴賀君が小さく呟いた。


『お、れ、も、……す、き』。

俺も……好き?


え、好きって友達の?

どういう意味なの?


ビクッ!


背中にまだ何か書かれた。


平仮名じゃない……?






『恋』だ。


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