この手、あの手。


「やる」

「本当!? 有難う、つーちゃん!」

田畑さんはスキップしながら担任に報告しに行った。


「都村さんダメだよ! なにされるか分かんないよ!?」

「良いの。小松さんにまで被害いかなくて済んだもん」

「都村さん……」

小松さんはギュッと抱きついてきた。


「都村さん大好き! 有難う!」

「う、うん」

人に抱かれることがなかった私は困惑した。


「つーちゃん困惑してるから離してやれ、麗南」

「わわっ、ごめんね!」

小松さんは慌てて私から離れた。


「実乃梨、なにかあったら直ぐ飛んでくから!」

「有難う、聖治」

聖治が親指を立ててきたから、私も聖治の真似をして親指を立てた。


「バレー頑張ったらご褒美やるから、精一杯やってこいよ」

鶴賀君は私の頭を優しく撫でてきた。


頑張ろう、みんなの為に。


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