この手、あの手。


「黙っててあげても良いけどー、1つお願いがあるの」

「お願い?」

「うん」

怪しく笑う田畑さんを見て嫌な予感がした。




「あたし達の奴隷になってよ」

全身固まって動けなくなった。


「嫌なら良いけどー、言っちゃうよ?」

「ダメ!」

「じゃあ奴隷になってよ」


奴隷……。

何されるか分からない。

でも、バレたらやだ。

聖治や小松さんを悲しめたくない。

きっと鶴賀君もバレたくないから、一目に触れにくいように背中に文字を書いたり、手を繋いできたりしたんだと思う。


「わか……った」

「やったあ!」

私以外のみんなは万歳して喜びを現した。


「このこと誰にも言うなよ」

「言わない」

「これから楽しもうねー、つーちゃん」

田畑さんは肩を組んできた。

ギュッと肩を掴んできて痛かった。

しかも私に体重をかけてきて重く、立っているのがやっとだった。


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