この手、あの手。
ピ――――ッ!!
試合開始の合図の笛がなった。
先攻は5組、最悪だ。
「都村さん取ってね」
「私達にボール渡さないと許さないから」
チームのプレッシャーに私の胸は更にドキドキしてきた。
「そーれ!」
観客の声に合わせて、私達のコートにボールが飛んできた。
「取れ――!」
周りの声援で余計プレッシャーを感じ、私はボールを上手く上げることが出来なかった。
「都村さん頑張って!」
「実乃梨、頑張れ!」
「つーちゃんファイト」
小松さん・聖治・鶴賀君の声援に少し心が晴れる。
友達って、凄いパワーなんだ。
なのに……。
「ちゃんと取れよバカ」
「全校に広めてやろうか?」
チームからの脅しに私の心はまた雲がかかる。
なんでそんな言葉しか言えないの。
酷すぎる。