この手、あの手。


ピ――――ッ!!

試合開始の合図の笛がなった。

先攻は5組、最悪だ。


「都村さん取ってね」

「私達にボール渡さないと許さないから」

チームのプレッシャーに私の胸は更にドキドキしてきた。


「そーれ!」

観客の声に合わせて、私達のコートにボールが飛んできた。


「取れ――!」

周りの声援で余計プレッシャーを感じ、私はボールを上手く上げることが出来なかった。


「都村さん頑張って!」

「実乃梨、頑張れ!」

「つーちゃんファイト」

小松さん・聖治・鶴賀君の声援に少し心が晴れる。

友達って、凄いパワーなんだ。


なのに……。


「ちゃんと取れよバカ」

「全校に広めてやろうか?」

チームからの脅しに私の心はまた雲がかかる。


なんでそんな言葉しか言えないの。

酷すぎる。


< 71 / 316 >

この作品をシェア

pagetop