この手、あの手。
「つーちゃんを離せ」
「つ、鶴賀君!」
指から田畑さんの足が離れたが、まだ痛みは残っている。
「つーちゃんに手ぇ出すんじゃねえよ」
目で人を殺せそうなくらい、鶴賀君は怖い目をしていた。
「べ、別に試合のこと謝られてただけだよ!」
はあ!?
無理矢理土下座させたくせに!
「お前らつーちゃんに何言ったんだ? 脅したのか?」
「なんであたしらばっか責めるんだよ! つーちゃんは悪くないのかよ!」
「つーちゃんは悪いことしないって信じてるから。俺の彼女だから」
かかか彼女!?
いつからそうなったの!?
だってまだ両想いになっただけで、付き合うとかそんな話はしてないじゃん!
驚いた顔をしていると鶴賀君が近づいてきて、こう言った。
「俺ら付き合うんだよ」
「………」
なにも言えなかった。
鶴賀君が唇にキスしてきたから。