この手、あの手。
「麗南、俺も麗南が好きだ。でも、つーちゃんの好きとは違う。幼馴染みとして好きなんだ」
「うん……ック……、初めて好きって言ってくれたね。ヒック、ヒック……有難う、それだけで十分だよ」
小松さんは泣きながらも、最後は微笑んだ。
鶴賀君と小松さんの絆は更に深まったに違いない。
「さ、食べようぜ! 2人の祝福も兼ねて!」
聖治は私と鶴賀君の弁当に、自分の弁当のおかずを入れた。
「ちょっと! そんなことしたら聖治の分無くなるでしょ!」
「良ーんだよ、お祝いなんだから!」
ニカッと笑う聖治の頭に拳骨を食らわした。
「バカ! 放課後部活あるじゃん! いっぱい食べなきゃダメ!」
私は自分の弁当のおかずを聖治に渡した。
「お前ら早く食べろよ」
鶴賀君は私達のやりとりにうんざりしていた。
だから私は、鶴賀君の弁当からおかずを1つ奪ってやった。
そんな感じで、楽しい遠足は終わった。
帰りのバス、私と小松さんはお互いの頭を引っ付けながら寝ていたという。