この手、あの手。


「狙っても良いよね? 都村さんには鶴賀君がいるし」

「……どうぞ」

「やったあ!」

マネージャーさんはピョンピョン跳ねた。


やだ……、なんか嫌。

聖治はずっと私のものだって思ってたから……。

聖治……。


「あ、私の名前は泉谷彩夏(いずみだにさいか)。1年1組だよ。仲良くしてね!」

泉谷さんは握手してきた。


「あ、う……よろしく……」

「都村さんって声小さいねえ。鶴賀君と釣り合ってるのが不思議~」

それって嫌味?

嫌味じゃなかったとしても、釣り合ってないって言いたいんだろうな。


彼女で悪かったね。


「あ、練習終わったみたい」

泉谷さんは聖治の所へ行ってタオルを渡していた。


私の出番なかったな……。


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