この手、あの手。


日曜日――。


「つーちゃんおはよ」

鶴賀君は家まで迎えに来てくれた。

優しいな。


「何処行くの?」

「街をブラブラ歩いて、行きたいとこあったら寄る感じ」

「ふーん……」

計画性ないなあ。


「行こっ」

「……うん」

鶴賀君は手を差しのべてきた。

私はその手を静かに取る。

そして、鶴賀君は私の指に絡めてきた。


これが噂のカップル繋ぎか……。

なんか恥ずかしい。


「つーちゃん俺のことそんなに好きなんだね」

「は? 自惚れんな」

「自惚れじゃねえよ。手から伝わってきた」

そんなわけあるか!

なんて言わず、大爆笑してやった。


「つーちゃん酷い。意地悪」

「意地悪なのはどっちだ! ドS!」

「あははー」

棒読みで笑われた。


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