この手、あの手。


「鶴賀君は小松さんが大好きだって……、私はいつか捨てられるって……」

「絶対捨てない!」

鶴賀君はお盆を机に置き、私をギューと抱いてきた。


「麗南は幼馴染みとして大好きで大切だ。でも、恋の好きはつーちゃんだけだ! つーちゃんが大好きだ! つーちゃんとしかキスしたくないし、抱き合いたくない!」

「鶴賀君……、止めて、離して。分かったから……」

そう言うと、鶴賀君はゆっくり私から離れた。


「私も、鶴賀君以外とはキスしたくないしキス以上のこともしたくない。鶴賀君が大好きだから、鶴賀君の言ったこと信じるから」

「ああ」

鶴賀君は私の涙を拭いてくれた。


私達の席はカウンターから死角になっており、他の席からも見えにくい。

だから私達はハンバーガーを後にこっそり、暫くの間キスをした。

いつもより、凄く愛されてる感じがした。


少し波乱はあったけど、初デートは良い結果で終わった。


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